ネットショップの作り方と経営会計【その2】

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-会計的視点から-

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- 2015.07.06 -

ネットショップ作り方と広告

ネットショップの作り方/運営で、課題となるのが、広告宣伝費の支出です。
自然検索だけでは、集客力が充分ではないかもしれません。
その場合、リスティング広告等への出稿を検討します。
(広告については、web広告【種類と特徴】~その1~や、web広告【種類と特徴】~その2~もご参照下さい。)
以下では、広告宣伝費の分析/改善について、見ていきます。

ネットショップにおける広告分析

まず、前回のネットショップの作り方と経営会計~その1~の事例をおさらいします。

  • ①広告表示回数:10,000回
  • ②広告クリック数:1,000回
  • ③購買数:10人
  • ④平均客単価:7,000円
  • ⑤広告費:売上高の10%

上記の場合、以下の計算結果となります。

  • (A)売上高:③×④=70千円
  • (B)広告費上限:(A)×⑤=7千円
  • (C)クリックあたり広告費:(B)÷②=7円
  • (D)CVR:③÷②=1%

(CVRについては、CVRとは【Webマーケティング】もご参照下さい。)

ネットショップと広告効率の向上

前回課題の一つが、「広告費の投資効率を高めるには、どうすれば良いか?」でした。
一般的に利益(率)を高めるには、大別して2つのアプローチがあります。

  • (ⅰ)売上の増加
  • (ⅱ)コストの削減

以下では、それぞれについて、改善例を見ていきます。

広告改善(売上の増加)

ネットショップの売上高増加には、以下2つのアプローチがあります。

  • (a)広告クリック率の向上
  • (b)CVRの向上

まず、aについて見ていきます。
仮に、ネットショップの広告クリック数が2倍(2,000回)になったとします。
その場合、計算結果は以下となります。

  • (F)購買数=2,000×D=20人
  • (G)売上高=F×④=140千円

クリック数の増加に伴い、クリック課金型の広告費も増大します。
(増加:1,000クリック×C=7千円)
しかし、それ以上に売上高が増加するため、利益は大きくなります。
(増加:購買人数10人×④=70千円)

次に、bについて見ていきます。
仮に、CVRが2倍(2%)になったとします。
その場合、計算結果は以下となります。

  • (H)購買数=②×CVR(2%)=20人
  • (I)売上高=H×④=140千円

この場合、CVR上昇でネットショップ購買人数が増加する反面、広告費は増大しません。
(増加:購買人数10人×④=70千円)
したがって、クリック率改善アプローチに比べ、効果が高いことが分かります。

広告改善(コストの削減)

広告コストの削減には、以下2つのアプローチがあります。

  • (c)入札単価の引下げ
  • (d)キーワードの再選定

まず、cについて見ていきます。
リスティング広告の場合、入札単価をある程度自由に設定できます。
入札単価を上げれば、検索順位も上がる可能性が高まります。
しかし、検索順位が上がれば、必ず、クリック数も上がるでしょうか?
また、クリック率が上がれば、ネットショップの利益も上がるでしょうか?

仮に、入札単価を低く抑え、検索順位が1つ下がっても、大差ない場合もあります。

特に、入札単価や検索回数が高いキーワードは注意します。
当該キーワードは、優先的に見直しを行なうことになると思われます。

次に、dについて見ていきます。
今設定しているキーワードは、本当に、ネットショップ売上獲得に貢献しているでしょうか?
例えば、ある会社(日本酒製造/販売業)のケースで考えてみます。
設定キーワードは以下のとおりです。

  • (J)お歳暮
  • (K)お歳暮 通販 日本酒

Jのキーワードで検索する人は、何を探しにWeb閲覧しているでしょうか。
お歳暮の意味や慣習、相場、人気ランキング等さまざまな動機で調べていると予測されます。
仮に、その閲覧者に自社商品ページをクリックして貰っても、購買率は低いでしょう。

また、検索数が多いものは「ビッグワード」と呼ばれ、入札単価は高くなりがちです。
他方、語数が多く、検索数も少ないものは、「ミドル/スモールワード」と呼ばれます。
一般に、ターゲットを絞れば絞るほど、入札単価は低く、CVRも高まる傾向にあります。

入札単価が低くても、購買率が高ければ、費用対効果面で優れているかもしれません。
現設定は、自社ネットショップのターゲットユーザーにマッチしているものでしょうか。
妥当な低価格のキーワードが他にないか、再検討します。

ところで、低価格のキーワード選定ありきで、サイト制作する作り方も面白いかもしれません。
その場合、当該ニッチ市場を狙った、サイト/ランディングページ等を用意します。

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